ARA2もももシナリオ:海の魔獣

【シナリオ名】大きな剣と海の魔獣

【対象】(3~)4レベルのPC、(4~)5人程度を推奨します。

【プレイ時間】オフラインで3~5時間、オンラインでその3倍を予定しています。

ストーリー

西トワド王国の酒場に、ここ毎日やってきては前後を失うまで酒を飲む女性が現れた。
彼女はとある大切な物品をなくしてしまい、非常に気落ちしているのだ。

彼女の個人的な知り合いであるPC1は、依頼のついでに彼女の大剣をさがすことにした。

今回予告

蒼海と潮風の街トワド、夏の暑い日差しの中人々は今日も快活に生活していた。
しかし、ここダンジョン・バッカーにて、一人の女性が毎日泣きぬれ、酒浸りの生活をしていた。
彼女の名前はナタリア・ベルガー。大切なものを紛失してしまった、悲劇の女。
そんな彼女を見ていられなかったPC1は、その物品の探索を請け負った。

だが、探索する先にはまた、人々の生活を脅かす存在も潜んでいた……!
冒険者は脅威をはらい、そしてまた、女性の涙を止めることができるのか。
アリアンロッド2E「大きな剣と海の魔獣」
冒険の舞台がキミを待つ!

ハンドアウト

ハンドアウトはPC1と、それ以外のメンバー用が用意されており、それぞれ配布される。
PC2以降は共通のハンドアウトである。

PC1用ハンドアウト

コネクション:ナタリア・ベルガー( 関係:友人)
トワドにて冒険者として活動しているナタリア・ベルガー、彼女は君の大切な友人だ。
彼女はつい先日の冒険にて、大切にしていた武器を紛失してしまった。
彼女はひどく落胆し、それ以来酒浸りの生活を送るようになった。

彼女の健康、心情を心配するのであれば、武器を失ってしまった彼女にかわって
それを探索してやるのがいいだろう。幸い、その場所へ向かうお題目もあった。

※ナタリアのデータ

名前:ナタリア・ベルガー(ヒューリン/女/17歳)
髪の色:金色 瞳の色:蒼 肌の色:白

元騎士の冒険者。大切な剣を無くしてしまった。泣き虫で泳ぎが得意。

PC2以降用ハンドアウト

【コネクション】PC1(関係:パーティメンバー)
君たちは、PC1をパーティメンバーとする冒険者パーティ、あるいはギルドの一員である。
誰がリーダーであっても構わない(PC2以降が、リーダーで有ってもよい)

冒険者の宿で今日の依頼をどうするか考えていると、どうやら既にPC1が依頼を受けたらしい。
そしておそらく、彼一人では達成できないだろう。

乗り掛かった船だと思ったあなたは、PC1に同行することにした。

ギルドの構成について

ギルドが未だに組まれていない場合、参加PC全員が持つ成長点を合計し、
10で割った値をギルド成長点に入れ、それによって算出されたギルド成長点をもって、
ギルドレベルを決定すること。 その後、それに合わせギルドサポートを取得する。

サポートとして、蘇生、祝福は有用である。3つ目以降は好みで選ぶとよい。

オープニングフェイズ

シーン1 依頼

シーンプレイヤー:PC1(他PC任意登場可能)
舞台:冒険者の宿(ダンジョン・バッカー)

解説

泣きぬれているナタリアとPC1が接触するシーン。
彼女はひたすら悲観的なことを言い、その原因となった事柄を言及してくれる。

PCが彼女を助けたい旨のことを言った場合、また言わなかった場合
店のウェイターであるノエルが助け舟を出してくれる。

描写とセリフ

比較的余裕のある冒険者の多くが宿をとり、飲食を取る店「ダンジョン・バッカー」。
愛らしい猫耳娘が給仕に駆けまわり、冒険者が笑い、吟遊詩人が歌う。

そんな陽気なはずの店内の一角に、よどんだ大気を形成している場所があった。

<セリフ:ナタリア・ベルガー>

「ふぃ、ふぃう、ふぃうう……」
「もうわたしは駄目なんです、ダメダメなんです、もうあれです、お終いなんです……」

メソメソと、女がテーブルに突っ伏して泣いている。
鼻をずびずび言わせながら、陰気な声と雰囲気をまき散らしている。
それを最も近くで浴びるのは、[PC1]、君だ。

<セリフ:ナタリア・ベルガー>

「ふぃうう、獲物を失ってしまった冒険者なんて……、干してないイカみたいなものなんですよ……」
「ふぃうう……、ベーコンチーズアボガドバーガーになりたい……」

そんな彼女の陰気な様子、それを聞いているPC1を見つけ、他のPCはここで登場してよい。
また、これ以降、いつでも登場することができる。

ここまで、もしくはこの直前までに、PC1が彼女が泣きぬれている詳細な理由を聞いた場合、
彼女が詳細を、聞かなかった場合、ノエルが詳細を教えてくれる。

  1. 彼女は冒険者である。
  2. つい先日依頼を受けて冒険した結果、獲物である大剣を失ってしまう。
  3. その依頼は南方の洞窟に住み着いた魔獣の討伐である。
  4. この依頼の報酬は2000Gであり、未だ依頼は達成されていない。
    もしよかったらコレの解決のついでに、彼女の剣を探してやってはどうか?
  5. もしPCが受けてくれるなら、ナタリアはある程度(具体的には1000G)の
    報酬上乗せを約束する。
  6. ダンジョンの特徴、敵の特徴などをここで聞く事ができる。

ナタリアから聞けるダンジョンの特徴は、以下のとおりである。

  1. ダンジョンの構造はわりと単純だったが、膝まで水に浸かる場所が非常に多く、
    また、水流もあった。
  2. 敵はどうやらクエレブレのようだ。探索中やつの鱗を発見した。
  3. 電気が流れている場所があり、そこを通る時非常に苦労した。
  4. 長い一本道になっている場所でポロロッカを受け、
    ダンジョンの外まで一気に押し流された。大剣はその時なくしてしまったのだ。
  5. 探索中水中からキラキラしたものをいくつか見つけた。
    持って帰った分はそれなりの値段で売れた。探せばまだ見つかると思われる。

また、ノエルから魔獣が、陸が警戒されているときは海で、
海が警戒されているときは陸で戦うようにしているようだと伝えられる。
このように魔獣は相手によって襲う場所を変えていることから、
知性がある可能性を示唆される。

このシーンはRPを交えてゆっくり解説していってもいいし、一気に教えてもいい。

どちらにせよ、依頼を受ければシーン終了である。

結末

PC達は依頼を受けることにした。
依頼料は魔獣討伐で2000G、大剣を無事見つけることで1000Gである。

なお、PCが依頼を受けなかった場合、ナタリアはこの日の帰りに、水路に落ちて溺死する。
次の日ダンジョン・バッカーに来たPC達に水死体が上がったこと、
それがナタリアだったことを伝えること。

ミドルフェイズ

シーン: ダンジョン
登場:全員
場所:南の洞窟

解説

南方の洞窟にてダンジョン・ハックを行う。
目的は魔獣の討伐と、大剣の捜索の2つである。

描写とセリフ

寄せては返す波が、岸壁にぶつかり砕け散っていく。
君達は岸壁の一箇所に、波がそのまま吸い込まれていくのを発見した。
どうやら、侵食洞窟(波によって削られてできた洞窟のことである)のようだ。

下に降りれば意外なことに足がつく。どうやら岸壁側は棚上になっているようだ。
中に入れば、つるりと削れ、壁面がモザイク模様を描いた美しい洞窟であった。
君達は腰まで浸かる海水に辟易しながらも、先に進むことにした。

ダンジョン内部構造

以下の画像の通りである。

オレンジ色の矢印の場所は、登攀することができる。難易度は14である。
矢印の先へ進むと登りである。逆に矢印の先から進む場合下りである。
■と書かれている場所は、最初は封鎖されていて、通ることができない

イベントが起こる場所あるいは部屋は、丸のついた数字で示されている。
以後、シーンは部屋ごとに行う。部屋と部屋の間の数字が書かれていない場所は、
それぞれどちらに行くか選択できるが、シーンとはみなさない。

シーン1:部屋1

この部屋は入り口である。特に何もないが、プールがかかっている。
このダンジョンの全てが、プール上にあるようだ。

この部屋で、プールのルール(遊泳状態)を確認し、試しに移動するための判定を行うこと。

部屋を出ると、まっすぐに大きな部屋のようになっている場所と、右に曲がる通路があるが、
右に曲がる通路は行き止まりになっている。

シーン2:部屋2

この部屋は痺れウナギの巣穴である。
通るたびに痺れウナギが攻撃してくるため、HPロスを受ける。

この部屋は[プール 1Lv][エネルギーバリア ダメージ+3D 5Lv]
[パラライズプール 4Lv]が仕掛けられている。

なお、この部屋は特に判定なく通り抜けることができる。
また、この部屋を調べると(達成値に関わらず)上に登攀できそうな場所が見つかるが、
それを行うとエネルギーバリアによりさらに全員がダメージを受ける。

登攀中はこれらのトラップの影響を受けないが、
失敗するとエネルギーバリアのダメージを受ける。
また、誰かが登攀の判定中、判定をしなかったメンバーはエネルギーバリアの餌食になる。
要するに、危険を冒してでも全員で一度に登ろうとするのがよい。

登攀判定の目標値は14である。

部屋を抜けるとまた前回と同じように目の前に部屋と、
右に曲がる通路が見えるが、右に曲がる通路はどうやら左に折れるようになっている。

右に曲がる通路を行くと、岩の残骸のようなもので塞がっていて通れないのが分かる。
崩せば進めそうだが、それは危険であることは分かってもよい。

諦めて目の前の部屋に行くと、シーン4に進む。

シーン3:部屋3(崖上)

解説

この崖上の部屋は、ボスも気づいていない空間である。
放置されているため、海賊のアンデッドが居座っている。
当然、プールの影響はない。

描写とセリフ

登って崖の上に着くと、そこには海賊のアンデッドがいた。
おそらく、この崖上は放置されていたのだろう。
アンデッドは君達を見つけると、すぐさま襲いかかってきた。

PC-7m-ブルーマン[2-220]

以上の通り戦闘が発生する。戦闘に勝利すると、ドロップ品の他に
ブルーマンが持っていた宝箱を得ることができる。

宝箱は(射程が至近に変更されているため)必ず作動者に当たるデスルーレット(2-289)が
しかけられており、気付かずに開けると発動して作動者を戦闘不能に追い込む。

中身は[海賊の宝(1000G) ]である。

シーン4:部屋4

解説

この部屋は岩の残骸のようなものが出口をふさいでいるらしく、行き止まりになっている。
この部屋ではこの岩の残骸の上に登ることで、プールによる影響を受けずに済む。

感知による探索判定を促し、達成値が12以上であれば海紫石(1個500G)を得られる。
達成値の最大値が3上がるごとに、もらえる海紫石の数も増える。(15で2個、18で3個…)
クリティカルした場合、その達成値か3個かどちらか多い方の数の海紫石を得る。

探知判定が終わったら、危険感知をさせる。[ブレイクダウン 探知値+2 13Lv]。
このブレイクダウンにより出口を塞いでいた岩が崩れ、あなた達に向かってくる。
危険感知に成功すれば、PCたちはギリギリでかわすことができる。

この効果によって出口を塞いでいる岩の残骸が崩れ、■の部分が通路になり、
その結果部屋5に続く道が開かれる。

描写とセリフ

君達は岩の残骸のようなものがたくさんある空間にたどり着いた。
済んだ水の底に、ランタンの光を受けて輝く何かがある。
おそらくこれが、ナタリアの言っていたものだろう。

感知判定によって探索すれば、それを採取することができるはずだ。

【採取後】

ゴゴゴゴゴ…
なにか、不吉な音が聞こえたような気がした。
各自、危険感知判定を行うこと。

【判定後】

部屋の奥の岩の残骸の向こうから、その残骸を押し流しながら鉄砲水が迫ってきた。

【失敗時】あなた達はそれをよけることができず、大量の岩の残骸が君達をもみくちゃにした。
【成功時】あなた達はそれを部屋の端に移動してかわした。

今の鉄砲水で残骸が押し流され、その結果通れるようになった。

シーン5:部屋5(鉄砲水の通路)

この部屋には[プール 1Lv]が仕掛けられている。

また、部屋に入ることを条件にポロロッカがあなた達を襲う。
これは、改造して移動距離を伸ばしたベクトルフィールド(15Lv)として扱う。

敏捷判定を各自行い、達成値13を出せないと入り口(部屋1)まで流される。
ロープなどで対策をする場合、1dのボーナスを与えてよい。

このベクトルフィールドには再起動装置を設置してあり、
誰か一人でも流された後、それらのPCがここに着なおすともう一度ポロロッカが起動する。
なお、この追加のポロロッカが発動したら、それ以上ポロロッカは発動しない。

注意として、この移動経路には部屋2を含む。
つまり、部屋2のエネルギーバリアの影響によりダメージを受けることに注意すること。

なお、探索することで登攀ができるようになり、この部屋からもシーン3へ行くことができる。
この場合の登攀の目標値は14である。

なお、シーン3から来た場合も同様にベクトルフィールドが起動し、岩ごとあなたを押し流す。
だからと言ってシーン4の■がなくなったりすることはない。

シーン6:部屋6

この部屋に来た場合、クライマックスフェーズに即座に移行する。

クライマックスフェーズ

シーン:海の魔獣
登場:全員
場所:南の洞窟

解説

クライマックス戦闘を行う。
敵は(分類が魔族に変更され強化された)ギルマンリーダー一体と、
(同様に分類が魔族に変更され強化された)クエレブレ二体である。

強化されたギルマンリーダーをメルビス、同様にクエレブレをポイズンクロコダイルと呼称する。

一面[プール]だがパーティション:飛び地がメルビスのいる場所から5m間隔で存在し、
そこはプールの効果を受けない。飛び地はデータはオブジェクトの床と同等とし、
破壊できるものとする。
(要するに飛び地はメルビスから、0m、5m、10m、15m、20m距離の場所に1か所ずつある)

敵から20m以内に入るか(シーン開始時は距離は24mである。これより後ろには飛び地はない)。
PLがムーブ、フリー以外の行動を行うとポイズンクロコダイル二体を呼び出し戦闘開始となる。

描写とセリフ

君達がそこにたどり着くと同時、ささまじいプレッシャーが君達を襲った。
水面にアトランダムに浮き出た飛び地の一つ、魚面の魔物からそれは発せられていた。
ベレー帽を被った、2m程もある人型の魔物。手足にはヒレが付いており、
背中には身の丈ほどもある大剣を背負っている。PC1はあの大剣はナタリアのものだと気づく。
敵は様子を見ているのか全く動かない。

【近づいた場合】近づくと、それは奇声を発した。
【何か動作をした場合】どうやら、今の行動で気付かれたらしい。それは奇声を発した。
それに答えるように、君達の両脇の水面から、魔獣が二体現れた!

【戦闘隊列】PC-12m-ポイズンクロコダイル×2-8m-メルビス
※これは20m距離に近づいた場合の隊列である。24m距離でスタート時は、
ポイズンクロコダイルとPCの間をもう4m離すこと。

敵の強化データ

メルビズ(ギルマンリーダー)
分類:魔族 Lv.9 に変更。さらに、以下の[ボス特性]スキルを追加。

防護強化×2(物理防御+12 魔法防御+6)
HP増強×3(HP+30)
ダメージ強化×2(あらゆる算出ダメージ+2D)

このエネミーの[ボス特性]スキルの合計SLは9である。

ポイズンクロコダイル(クエレブレ)
分類:魔族 Lv.9 に変更。さらに、以下の[ボス特性]スキルを追加。

防護強化×2(物理防御+12 魔法防御+6)
HP増強×3(HP+30)
スキル追加:バッドステータス無効(2-201、HP消費し、バッドステータスを防ぐ)

このエネミーの[ボス特性]スキルの合計SLは9である。

敵の行動について

メルビズはセットアップで司令塔を使った後、1m前進し水中に入る。
クロコダイルは優先的にPCのいる足場を狙って攻撃し、水に落とそうとする。

メルビスは基本的に前進しないが、前進する場合必ず足場の上に登らないようにする。
共に、上述の作戦が使えない場合、敵に近づいた後
自分のいるエンゲージの敵に攻撃する。
メルビスは自分のいるエンゲージに敵がいない場合、待機または行動を破棄する。
敵を全滅させればシナリオ終了である。

ボス特性スキルについて

これは基本的にCP(NPCとの関係構築のためのリソース)の獲得に使う物であるが、
使わない場合、それを(ボス特性スキルのSL1ごとに1点の)経験点に換算してよい。

結末

撃破するとドロップの他に、自動的に大剣を獲得する。
また、クエレブレの巣であったためクエレブレのドロップを一回余分に行える。

なお、ナタリアの剣については、鑑定するならば、目標値16で鑑定でき、
成功すれば2000Gで売れることがわかる。PCに有利になるような効果はない。

売った場合のケースを想定したエンディングは記載していないので、
その場合何とかアドリブで処理すること。
もちろん、ナタリアからの報酬はもらえなくなり、ボス特性の合計レベルが0になってしまう。
(つまり、ボス特性によるボーナスを得ることができなくなる)
また、ノエルの好感度レベルが1減少、またはシナリオで貰える合計経験点を
最終的に計算した経験点から半減する、のどちらか重い方のペナルティ
GMが適宜判断して適用する。

エンディング

シーン:感謝の声
登場:全員
舞台:ダンジョン・バッカー

解説

すごく感謝してくれる。

描写とセリフ

「ふぃ、ふぃおっ!」
「わぁ、ありがとうございます!」
「なんていったらいいか、本当にありがとうございました!」
彼女は大剣とともに元気を取り戻したようだ。

経験点の処理

総合的なエネミー、並びにトラップの経験点は合計で133(ひとり27)である。
崖の上を調べない場合-7、下を調べなかった場合-2となる。

クリア経験点は11なので、総合的に獲得できる経験点は43になるはずであるが、
半減している場合、それが21になる(端数切り捨て)。


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