皆さんは、こちらのパズルに見覚えありませんか?
http://izumi-math.jp/sanae/MathTopic/sanheihou_2/sanheihou_2.htm
これは三平方の定理の証明するためのパズルで、ブロックが2つの正方形になったり、1つの大きな正方形になったりするシロモノです。
このパズルを大きな正方形にしたり、2つの正方形にしたりして動かすときに、
皆さんは大きなブロック(例だと黄色)から動かしますか? それとも、小さなブロック(例だと青)から動かしますか?
多くの人が、黄色から動かすと思います。 と言うか青から動かすと、ほとんどの場合完成しないでしょう。
少なくとも、黄色を早く置かないと完成しません。
大きなものから動かすことでイメージがつきやすくなり、そのおかげで最終形までパズルを完成させることができる。 皆さんもそうだと思います。
これと同じことが、シナリオ制作の時でも言えます。
と言うより、むしろ「シナリオ制作を画像にするとこのパズルになる」と言い切れる位、このパズルとは共通点が多いです。
例えば、色々なピース(敵とかストーリーとかイベントとか)を集めて図形(完成したシナリオ)を作るところとか、
同じブロックを使っても、人によって結果が異なることなんかがそうですね。
しかし、シナリオ制作にしか存在しない注意点が2つあります。
そのピースの大きさが、各人で異なることと、そのピースの大きさが全く見えないことです!
当然、先に言った通りの大きさの違いを無視することになり、結果とんでもないことになります。
こうした視覚のパズルでは青から動かす人はほとんどいないのに、シナリオ制作だと青から作り始めて挫折する人間って結構いると思うのです。 と言うか私がそうなりました。
シナリオを考え始める時に、一番最初に私にとっての黄色であるダンジョンや戦闘ではなく、青であるストーリーを考える癖がついてしまいまして。
で、青から作ると非常に苦痛なので途中で断念します。 こうしてシナリオ制作できない病の患者が一人できる。
こういう事がどこかで同じように起こっていないか、少し心配になったのです。
これまでのシナリオ制作具体論が、自分にとっての青を最初に動かすことを要請していないか。
そして、自分がシナリオ制作を人に教えるときに最初につけた癖のせいで、シナリオ制作が苦痛だと言う思いを抱かせていないか。
結論の所、シナリオ制作の難しさとか、苦痛さとかは。
ここに、由来があると思うのです。